イタリア人のシェフは栄養学があった!学びのツアー
観光地に行く前から、訪日外国人はカフェに入ったり、バーに入ったりします。のんびりペースを守ります。観光地は日本人だったら3つ行くところを1つ行ければ御の字です。バーに入ってビールを頼んでいます。ビール談義になりました。ビールは一般に穀物地帯だったメソポタミア文明の時代から作られ始めたとされています。
シュメール人がビールを飲んでいたということについては、紀元前3000年前後の「モニュマン・ブルー」と呼ばれる粘土板の記録が有名です。楔形文字でビール作りの様子が描かれており、これが一般に最古のビール作りの記録として知られています。
かの有名な「目には目を。歯には歯を」の「ハンムラビ法典」がハンムラビ王(紀元前1726~前1686年)によって制定されましたが、これにもビールに関わる法律が細かく定められています。このことからも、当時ビールが国の財源として非常に重要であったのだと考えられています。ビアホールは社交場であり、代金は穀物で支払われ、薬品としても使われました。
ポンペイを調べる考古学者によって、残っていた家具調度品からローマ時代の発酵食品を推測することができるようになりました。この辺りはさすが、イタリア人です。
特筆すべきガルムは大変強い香りを放ちます。安定するための塩を入れますが、魚の不飽和脂肪酸を太陽の下で1–3カ月の発酵を促します。魚醤ですが薬としても使われました。
コントロールした発酵食品にはチーズがあり、ナチュラルの代表としては、ピクルスがあります。
•Trahanas (yogurt used to thicken soup – Greece)
ギリシア、キプロスにある発酵食品で砕いた小麦に山羊のヨーグルトの固めたもので夏場に作り、冬に保存食として食べます。発酵しスープをつくったり、あるいはお粥として冷たくしたり温めたりして食します。
•Sorghum beer (sorghum – South Africa)
サトウトウモロコシ、グルテンフリーで注目を浴びる次なるビールです。
•Qula (milk – Tibet)
ヤクの乳からつくるチベットの栄養価の高いチーズです。
Kumiss(milk-Russia)
馬乳で作られるヨーグルトドリンクで発酵するのに種菌を使ったり、牛などの乳をたしたり糖分をたす等します。
Burong dalag (魚 フィリピン)
キリスト教の祝日で保存した魚を食べる風習になりました。炊いた米と岩塩を使い淡水魚を瓶にいれ7~20日程度の発酵をするので臭いはかなりあります。
ビール博士かと思いますが、こちらの訪日外国人はイタリア人のシェフです。
Meats
•Poi (fish – Hawaii)
ポイ(poi)は、タロイモの球茎から作るポリネシアの主食のことを指すハワイの言葉であり、ポイは、焼くか蒸すかした球茎を、粘りが出るまですりつぶすことによって作られます。すりつぶす時とまた食べる際に、液状あるいはパン生地程度の固さなど、好みの程度になるように水が加えられます。
Soybean
•Douchi – (black bean paste – China)
豆豉(トウチ )は黒豆(黒大豆、こくだいず)に塩を加えて、発酵させて、水分を減らした食品。作り方としては、黒大豆を水で戻してから、蒸し、塩、麹と酵母の混ざったものを加え、発酵させた後、日陰で水分を減らして仕上げます。 現代の日本の浜納豆や大徳寺納豆などの豆味噌に似ているので中国の豆豉が奈良時代に日本に伝わったものとされています。産地によって、クモノス麹カビの作用が強いものと、酵母菌の作用が強いものなどの違いがあり、風味も異なります。
Fruits and Vegetables
•Gundruk (sinki – a regional radish-like vegetable – Himalayas)
ネパールの国を代表する発酵食品です。細かくした青菜などの野菜が取れた時に発酵させて保存食として乾燥させます。スープ等にいれます。
•Tibi (fruit – Mexico)
果実とシロップで作るいわゆる「酵素ジュース」です。
•Daal (lentils – India) 豆などで作るパンケーキで南インドで食されます。
•Injera (tef- Ethiopia) エチオピアの主食テフという穀物を自然発酵させクレープ状にして食べます。
雑穀
•Chicha (maize – South America) 南米の口噛み酒です。
•Leavened bread (yeast – Central Europe)中央アフリカのふくらみのあるパンです。
サルジニア colatura d’alici アンチョビを作る要領でカタクチイワシをベースにした魚醤のことです。
Gioddu 同じくサルジニアの名産の羊の乳からできるヨーグルトです。
発酵食品のメリット
発酵食品の微生物が産生した酵素は、植物の多糖体の細胞壁を壊し食物繊維を
腸の中でつくり、その食物繊維を材料に今度は酵素が善玉菌優位の腸内微生物を放ちます。
ヒトが作れないビタミンBやKという補酵素を作る発酵食品もあり、免疫力を向上し
毒素を排出します。
バクテリアと宿主であるヒトとの共性とも言えます。
腸の善玉菌優位状態
官腔細胞付近で、プロバイオティック株の菌は細菌性の毒素エキスを減らします。
細菌性の上記の変化はプロバイオティック株の菌の力で粘膜バリアを強化します。
善玉菌優位の腸内フローラは腸粘膜の病原体が集合体になるべく近づいたり、コロニーになるのを妨げる方法をあみだします。
ヨーグルトは、国際規格ではサーモフィラス菌とブルガリア菌という比較的多くの乳酸菌を出す二つの菌で作ることになっています。(日本ではこの規制がないため、菌の名前を前面に出してヨーグルトを販売しています。)
現在、ビフィズス菌などのプロバイオティックスをうたうものが出てきました。
プロバイオティックスは栄養、免疫活性、排毒、小腸の粘性タンパク質の遺伝子活性化等により
病気の発症する細菌性微生物がコロニーを作るのを許しません。
プレバイオティックスとは、食物繊維など腸の善玉菌の「えさ」になるものです。
プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取すること、またはその両方を含む飲料や製剤などをシンバイオティクス(synbiotics)と呼んでいます(「syn」には「一緒に」という意味があり、1995年、英国の微生物学者Gibsonによって提唱された用語です)。
プロバイオティクスと、プレバイオティクスを一緒に摂取すると、プロバイオティクスの持つおなかの健康を守るとともにからだ本来の力を強める機能が、さらに高められると考えられています。
MARS500 プロジェクトというのを知っているか?とイタリア人。訪日外国人の中でもロシア人は少ないのでロシアの話をイタリア人から聞くとは思いませんでした。
火星探査というロシアの宇宙船に6人のプロジェクト宇宙飛行士に腸内環境を分析させてもらっています。
外的要因の入らない宇宙船空間で、排泄の菌の様子をモニターします。現時点では、発酵食品を取るといいという結果を出しています。