2018年12月14日
日本文字の糀をそのまま店名に・・・米はなです!
発酵ソムリエ課題レポート
自然食・発酵のお店「米はな」を立ち上げて
2018年11月30日
視察日:2018年11月28日
住所:東京都大田区西糀谷4-13-13
~なぜ「米はな」なのか?~
東京都の大田区に糀谷という地名がある。鎌倉時代には「麹屋」という文字が使われていた歴史が残る。そんな発酵文化が根付く街に自然食・発酵をテーマにした「米はな」という店舗を2016年4月4日に立ち上げた。
~日本の発酵文化~
日本は古くから菌とともに生活・文化を発展させてきた。日本の麹菌は国の菌であり、日本の麹菌だけが毒素をださない特殊な塩基配列を持つ。日本人は人間に都合の良い菌を活用することで菌たちとの共存共栄関係を作り、様々な食に活用してきた。ここに当たり前で見過ごしがちな日本人ならではの知恵がある。
~発酵食品の開発~
米はなではオリジナルな発酵食品の企画・開発・製造を行っている。第一弾は町おこしを兼ねて2016年8月8日に販売した糀谷の梅こうじ「こめはな」だ。千葉のメゾン発酵研究所が培養している生酪という菌をつかった自家製の甘酒と和歌山県の有機梅干しを味のベースに、海苔、本枯節、生姜、麻の実、麻炭を混合させた発酵調味料である。ご飯のお供や調味料、ソースとして、豆腐に乗せたり、納豆と混ぜたり様々な使い方を楽しめる。
~米はなの想い~
オーナーの大日方真さんはお子さんのために体に優しい素材を使った食の提供をこれまで進めてきた。自然な素材を使って発酵の力を借りたお弁当や惣菜の販売を行っている。玄米を発芽させて2~3日寝かせて作る発芽酵素玄米をメインにした主菜と副菜を自分で選べる日替わり自然食発酵弁当は米はなの人気メニューだ。江戸時代の栄養ドリンクである生甘酒とセットにして毎日食べれば健康な生活が楽しく送れるかもしれない。
長崎に落とされた原爆の爆心地からほど近い場所にあった病院の秋月医師は、塩辛い玄米のおむすびと味噌をスタッフと患者に毎日与え続け、その結果彼の病院からは原爆症の患者は一人もでなかった。なぜ原爆で破壊され核に汚染された土地から緑が復活したのか、福島の放射能漏れ事故から7年もたつ今となっても、病気にならずに元気でいられる日本人が多いのか。古代から共存してきた見えない菌たちの目覚ましい働きを、日本人は知らない。
だからこそ日々の当たり前に感謝をしたい。食を通して日本の知恵を発信していきたい。米はなの想いが菌たちとともに人々の生活にこれからも届きますように。
林珠江