2019年4月9日
黒酢の故郷にいってきました!
鹿児島・福山の黒酢の故郷を尋ねて
大橋 ひろ美
2019.3.18 福山黒酢の生産地
鹿児島県霧島町福山兆福山大田 311-2 桷志田(かくいだ)を訪問する。
1. 黒酢の歴史 4 世紀頃和泉の国に中国から米酢が渡ったとされるが福山の黒酢は約200 年前ごろ福山の
商人に作り方を聞いたことから始まったと言われている。
江戸時代の薩摩藩では門外不出の産業であったために全国に広まることはなかった。
鹿児島では福山酢は発展をとげていた黒酢であったが第二次世界大戦中の米穀統制や合成酢の出現により黒酢
の醸造元は激減した。しかし、夏は涼しく冬は暖かい福山の自然と良質な天然水は黒酢の生産に適しており伝
統が今日まで受け継がれてきた。
2. 製法
玄米・黒麹・水をアマン壺の中に入れて発酵させる。
1 年・3 年・5 年のものを誰でも試飲できるので飲み比べて見ると良い。
3 年で出荷となるがその前に杜氏がそれぞれの壺の味見をしながら
ブレンドしていくそうだ。2 万個のつぼの蓋をあけて日々点検をしていること
にも驚きであった。工場で生産するのと違って自然に任せているので日々の
点検が大切である。糖化発酵・アルコール発酵・酢酸発酵が 6 ヶ月かかる。
その後 3 年熟成させるのである。さらに 5 年熟成させるものもある。
3 黒酢の魅力
アミノ酸の豊富な食品のためうまみ成分が強く抗酸化力がアップする、食後の血糖値を緩やかにする、肌の
保湿機能を高めるなどの効果が期待されている。
実際に 5 年物の黒酢を使った料理をいただいたがまろやかで奥深い味わいがでていた。
4 企業の努力
観光客に試飲をさせたり、レストランで料理をだしたりと黒酢の魅力を実際に体験してもらう努力を感じた。
江戸時代には門外不出の製法であったが今は全国に広めるための努力が必要であろう。小型の携帯用や可愛い
パッケージの工夫も大変魅力的と感じた。
5 まとめ
食品の工業化が進む今日であるが発酵は自然の恩恵であると改めて感じる訪問であった。日本の中にはその
自然風土に根ざした食文化がまだまだある。その土地に訪問することで消費者がその食品の価値を再確認する
ことが出来るのだ。多くの人に食の現場に訪れて欲しいと思う。私も発酵の旅はこれからも続けていきたい。