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食事の好き好きを理解して繁盛店に!

味覚に対する差異

日本に来て一番やりたいことのベスト1は、日本食を食べることですが、恐れていることの一番に日本食しかなかったら、どうしよう?があるのです。実は、日本には世界の美味しいものが集まっているということも発信したいことのひとつです。

世界に通用するUMAMI

タンパク質を取り出して舐めてみてください。味がしません。低分子化してアミノ酸になったところで、味がします。三大栄養素と言われる炭水化物(でんぷん)、脂質、そしてこのタンパク質は無味無臭なのです。酸化したり、焼いたり、発行させたりします。つまり、料理、下ごしらえをするということです。特に、タンパク質は低分子化すれば、イノシン酸、グルタミン酸が日本の和食文化で言う旨味です。既に、英語の中に取り入れられているUMAMIは、例えば、アメリカの高級ハンバーガー店の名前です。また、英国航空のキャンペーンで旨味のフルコースなどという露出をしています。

ケチャップの味がするのが洋食、和食の出汁が訪日外国人にわからないという方が多いのですが、それは間違っています。ただ、好みが少し違います。何しろ、ケチャップ自体がインドネシアの調味料でオリジナルは魚醤の一種でしたが、ヨーロッパ経由でアメリカはピッツアバーグに入りハインツがトマトベースのソースとして爆発的にヒットさせました。

細かい味の違い

話は変わりますが、トリエンナーレで各地が町おこしをしています。直島を例にひいても、世界から四国の小さな島にアートを体感しに来るわけですから、かなりの経済効果があります。実際、直島に冬の季節に行きましたが、日本人はユニクロのダウンを着ているのに対して、中華系の訪日外国人が皆さんモンクレールダウンを着ていたのが印象に残っています。

アートの話ではなく食事の話でした。私は静岡県の掛川市でトリエンナーレをアーティストとして参加する機会に恵まれました。大都市ではないので、特産品のお茶と組み合わせてほしいという要望がありました。前の仕事で、静岡の茶葉研究所に行くことがありました。そこで、訪日外国人が緑茶を飲んで、「魚の味がする」という事象を不思議に思っていましたが、なんと旨味成分でした。緑茶の中にもグルタミン酸などが存在しています。現在、緑茶が健康のために飲まれ始めています。健康というキーワードもアピールできる新しい切り口です。

また、ここで発酵という切り口でお茶を学びました。プーアール茶という菌を積極的につける発酵茶を日本産で作っているのも静岡県。ここに生かされている技術は、日本酒を作る時に使った、麹と酵母なのです。麹は泡盛の黒麹菌、酵母は静岡酵母を使いました。実は、ここでも海外の方にテイスティングをしていただく機会に立会いましたが、スイスから来た男性が必ず周りの人に飲み終わると意見を聞いてから発言していたのです。多分、細かい味の違いがわからないようでした。

フランス人を中心に戦後から緑茶は海外でも飲まれていましたが、砂糖を入れたり、ティーカップで飲んだり、水出しで氷を入れる等、日本本来の飲み方とは違っています。

抹茶はお点前をして体験として飲むのが王道。砂糖と合わせたマッチャが有名です。マッチャという味はすでにフレーバーのひとつとして、甘味素材として全世界で使われています。また、オバマ前大統領が日本で食べた思い出ということでマッチャ・アイスクリームを有名にしたことが記憶に新しいと思います。

ほうじ茶が好かれる理由もこの味の好みにあります。お値段がリーズナブルなので生産者としては緑茶が売れたら嬉しいのですが、ほうじ茶は香ばしいので、欧米人に好かれます。

コーヒーの味でもドドールのような酸味のあるブラジル系のコーヒーは嫌いだという欧米人ですが、スターバックスの焦げている香りのコーヒーは大好きという声が少なくありません。燻製が持て囃されるのもこういった理由からです。

ざっくりいうと、大都会の出身で積極的にいろいろな味に挑戦する立場の訪日外国人は、細かい味の違いがわかりますが、地方出身であまりエスニックも挑戦しない、ご高齢となると、典型的な日本食ですら食べてみようとしないかもしれません。

年代的にずっと国内にいて海外に行く経験が老年になってからの方は、新しいものをトライするのが困難です。NYCでツアーガイドをしている日本人によると、中国からの観光客は、アジアの食事しか取らないので、珍しい欧米の食材を説明してもやりがいがないと言っていました。

万人受けする訪日外国人好みの和食

また、舌触りも好みがあります。とろろ、納豆、オクラ・・・ネバネバした食感を食べたことがない方もいます。個人差もあります。逆にいうとふわふわの玉子焼。特に甘いものは、かなり受けがいいアイテムです。

天ぷらの中でもエビはとても人気があります。魚の中では、鰹の味が好きな方も多いです。

ひとつひとつ理由があるとは思いますが、全体的に自国に似たものがあるということが軸になります。

また、最近では食事が健康や生き方とリンクして考えている方も多いのです。

食事制限

テニス界においてダイエットで有名になったのは、ジョコビッチ。グルテンを全て除去したグルテンフリーダイエットで身体を作ることができました。小麦の中に含まれているグルテンを全て除去したパスタなどを使います。欧米に行けば、必ず大きなホテルには、グルテンフリーのメニューを用意しています。皆さんのレストランでも用意できれば、大きなメリットがあることでしょう。

関東で販売している久寿餅。小麦のグルテンを排除、これはお麩にします。残ったでんぷんを発酵して餅にしたものですが、食感がくず餅に似ているので、この名前があります。海外の方に味は受けませんが、薀蓄はとても好評です。また、嫌われ者のグルテンがお麩という食べ物になり、貴重な精進料理のタンパク源になっているという事実があります。精進料理、ベジタリアンの訪日外国人には、とても興味ある食事です。

簡単にメニューにGFDFNF等の略語を書くこともできます。

GFgluten free(グルテンフリー)

グルテンを含む食品を使用していない食事

DFdairy free(デイリーフリー)

乳製品を使用していない食事

NFnut free(ナッツフリー)

ナッツ類を使用していない食事

Vvegetarian(ベジタリアン)

肉・魚を使用していない食事

VGvegan(ヴィーガン、ビーガン)

動物性の食品を一切使用していない食事

ベジタリアンいろいろ

ベジタリアンでも牛乳や魚を食べる方もいます。卵は食べていいという人もいます。フルーツしか食べないフルタリアンもいます。ヴィーガンという方たちの中には、とてもアグレッシヴな方たちがいて、毛皮のコートを着ている事自体が間違いだという理由から、そういう毛皮、革製品を身につけている人が同じところで食事をしている、と言って怒って出ていってしまったことがあります。

理由まで考える

理由が何由来でベジタリアンになったのか?も考える必要があります。豚を忌み嫌うイスラムの方。牛を崇拝するから牛肉を食べないヒンズー教徒の方とは違います。ヒンズー教徒の中には牛乳は積極的に摂取している人々がいます。豚の乳製品を作るプロジェクトに取り組む大学生がいますが、イスラムの方は例え食品になってもタブーになっている動物の乳製品は口にできないことでしょう。ゼラチン、出汁、調味料でも勝手な判断は禁物です。ヒンズー教や厳格な仏教徒は五葷(ゴクン)と呼ばれる食材、にんにく、ニラ、らっきょう、玉ねぎ、あさつきが食べられません。

食べる習慣

お茶の話をしましたが、食事をしながら飲み物を飲む時は、アルコール類、あるいは冷たい飲み物を一緒に摂取します。お茶を食事しながら飲むのは、アジア系の文化です。飛行機が飛び上がって最初にサーブされるのは、アペリティフ。ここで、「紅茶」などと日本人は言うことが多いのですが、冷たいものを頼むのがマナーです。ビールは冷たいものを好まない中国人。それに対し、食事は冷たいものを好まないタイ人は、飲み物は冷たいものしか飲みません。この場合ビールは冷たくなります。

主食に対する考えも大いに違います。中華系の方が「ドリア」や「オムライス」を日本人が

ごちそうとしているのが、信じられないそうです。主食だけでは足りないのです。炭水化物だけですから、野菜やタンパク質が必要です。また、欧米人もおかずとバランス良く食べるという習慣がないので、ご飯だけが残ってしまいます。ご飯を食べるのにオカズになるものを予め用意してあげましょう。また、特に欧米人は、ご飯の後にはデザートを食べないと終わったことにならない方もいますので配慮が必要です。一緒にカフェを出す時も、例えばカプチーノ(イタリア)やカフェオレ(フランス)は朝飲むものなので本国から来た人には、夕方に勧めてはいけません。健康面からカフェインを含む飲み物を一切摂らない方もいます。

覚えることがたくさんありますね。各種セミナーをご用意しています。

ハラール認証

ハラール認証の窓口についてもご相談がありますが、どこまで厳格にするか?ということで選択できます。実は、各国のハラール認証の厳しさが違うのです。シンガポーリアンをターゲットにしていれば、シンガポールのハラール認証を取ればいいのです。インドネシアなどは厳しくて従業員の一人がモスレムでないと開業できません。一度、日本インバウンド・アテンダント協会のセミナーに参加して概要を把握してみては、いかがでしょうか?

対策

指差しツールや筆談、スマートフォンの翻訳アプリなどを駆使して正確に相手が何を食べられて何が食べられないのかを把握しましょう。メニューを多言語にして、訪日外国人を歓迎している雰囲気を出しましょう。今まで日本人が平日の夜しか来なかった居酒屋にインバウンド・ビジネスを展開していただいたところ、平日の他の時間帯に海外のお客様が入店するようになり、稼働率が非常によくなった銀座のお店があります。

当協会の特徴

日本インバウンド・アテンダント協会では発酵食品をひとつのテーマにしています。理由は、ユネスコの無形文化財である和食の構成要因として発酵食品があげられているからです。味噌、醤油は発酵調味料です。国がひとつの細菌を国の代表する菌として定めているのも特殊です。糀は、日本酒をつくるキーファクターです。


また、個人的な理由もあります。国際線のファーストクラスを担当するために訓練所では、入って直ぐワインやチーズの勉強をします。ここから出発して、ほとんどの勤務した企業が食品、あるいはテーブル周りの製品の会社勤務だったことも協会の運営に関与してきます。3年間ずっと発酵食品を研究する研究所の所長だったことがあるのです。

日本インバウンド・アテンダント協会ではこの発酵食品に関連した制度もご用意します。海外の方に納得してもらえる技術が日本食には存在しているのです。カードゲームが「酒の発酵 Sake Fermentation」であるのもここに起源があります。是非、このカードゲームで遊んでみてください。