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スーパーフルーツ・・・その名は柿!

紅茶キノコとして有名なコンブッチャの酵母などの菌体が欲しい場合、柿酢を作ります。

酢はアルコールに酢酸菌(Acetobacter pasteurianus)という細菌が働いて酢酸発酵という酸化反応をすることによってできますが、その際、酸素の供給が必要になります。ぶよぶよとしたナタデココのようなものです。

 

この細菌は好気性の強い菌であり、増殖が進んでくると、液面に菌膜(バイオフィルム)という膜を張る性質を持っています(本菌の俗称:「ちりめん菌」)。日本酒のような液体原料の場合には、この膜を壊さないよう注意しなければなりませんでした。

 

そのため日本で以前酒を原料にして醸造していた時代には、醸造家にとって地震が一番怖かったと言われていました。バイオフィルムは酢酸菌のみならず、病原菌までも含めて、細菌が形成する多細胞系構造であって、形態的にもバラエテイーに富んでいて、その構成成分も多糖質を中心に多種多様です。

 

ところがこの柿、日本独自のフルーツで欧州の人はカキで通じてしまったりします。(どうやら、イスラエルのキブツにいった日本人がカキといって出荷した模様)

柿が全て同じ大きさ、同じ硬さ、同じ形で揃えて輸出できる書類まで用意しておくと訪日外国人の皆さんは感激します。訪日外国人にとっては、スーパーフルーツです。栄養価ではなく「特別感がある果物」なのです。

また、もうひとつ発酵ソムリエとしてはどうしても紹介したい柿に因んだアイテムがあるので、無理やり紹介しているのが・・・。

柿渋です。

柿渋(かきしぶ)は、渋柿の未熟な果実を刻み絞って出た汁液を発酵・熟成させて得られます。主に皮についていた酵母での発酵です。食物ではないところで特異なものとなります。

ところがこの柿渋は、酒造りの場所では、かならず絞りの麻袋として登場します。

赤褐色で半透明の液体です。柿タンニンを多量に含み、平安時代より様々な用途に用いられて来た日本固有の材料で発酵によって生じた酢酸や酪酸等を原因とする臭いを有しますが、シックハウス症候群にならない天然の塗料として注目されています。渋を多く含む柿から自然発酵を用いて作ります。カキタンニンには防腐作用があるため、即身仏(ミイラ)に塗布し、水中で用いる魚網や釣り糸の防腐と、強度を増すために古くから用いられてきました。

 

ということで、防水加工された柿渋のバッグなどをお土産にオススメしています。

 

また、薬としても重宝されています。縄灰と混ぜて外壁の塗装にも使用されますし、更に紙に塗って乾燥させると硬く頑丈になり防水機能も有するようになるため、かつては団扇や傘、紙衣の材料として用いられました。