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【発酵ソムリエ】韓国へ発酵食品を求めて、その4

芋を食べる文化は、太平洋を中心にあります。日本でも里芋を中心に食べてきました。芋を主食とするのが転じて、ヤム芋を粉にしてプロテインのように飲む健康食品があります。

発酵させるのに、甕(かめ)壺(つぼ)(オンギ)を使うというのは、キムチ文化の基本です。

オンギは味噌や醤油を貯蔵、熟成する甕(かめ)壺(つぼ)のことです。日本では黒酢作りで使う甕にも通じるもので、素焼きが適度に発酵を促すようです。

 

素焼きの壺には、多孔質で菌が住むのに十分な穴があいています。水洗いして乾燥しても孔に、菌が残り、必要なpHと温度になった時に、表れます。

 

キムチなどもオンギで熟成させると美味しいです。

韓国観光を目的に作られた韓国映画、「HARU ある一日の物語」では、オンギが画面一面に並び背景としての広がりをみせています。

こぼれ話

甕(かめ)壺(つぼ)の歴史

1592年全国制覇を成し遂げた豊臣秀吉は15万人の兵士を朝鮮に送り込みました。秀吉の死によって文禄・慶長の長い戦役が終わりをつげます。従軍していた侍は帰国に当り、その文化を持ち帰りました。中でも、九州各藩および長州の大名は競って陶工を連れ戻り、それぞれの領内で窯を築かせていました。

文献によりますと、1827年薩摩で備蓄が必要となり薩摩焼など推奨しました。その改革を進めるなかで、福山港近くの山すそに壷がならんでおり、役人が中を確かめて酢であることを確認しています。韓国の酢は、果実の酢がメインです。酢は通常、アルコールを作ってから酢にしますので、材料だけいれて酢ができる黒酢は、日本独自の文化です。

玄米黒酢は、麹と井戸水と蒸した玄米を入れておくだけで、薩摩の温かい気候で発芽によるでんぷん糖化、酵母によるアルコール発酵、酢酸による酢酸発酵というトリプル発酵がおき、美味しい黒酢ができるのです。不思議なのは、酵母や酢酸菌はどこからくるのでしょうか?

そうです。甕(かめ)壺(つぼ)の孔に住んでいるのです。

カビの仲間というわけでしょうか?キノコも全州の特産展でブースに出されていました。この数日前に北朝鮮が同じ種類のきのこで「きのこの国」宣言をしていました。ブースの人は「シイタキ」と言っていました。確かにしいたけに似ていますが、しいたけは、レンチヌラ・エドデスという菌が木の中に入って繁殖したものです。「エドデス(江戸です)」という名前からも日本特有と思われがちですが(わたしだけ?)、様々な国でシイタケといえば、通用するようです。

韓国では200種類以上あるといわれているキムチは、漬ける季節によっても区別されており、漬けてすぐに食べるキムチと、冬の間に食べるキムチを大量に漬けたキムジャン文化があります。

 

和食が登録される時を同じくして韓国の「キムチとキムジャン文化」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形遺産に登録される見込みだと韓国文化財庁が発表しました。ところがユネスコ本部が発表内容について警告したことが分かりました。

 

 韓国文化財庁は1023日、ユネスコの審査補助機関が「キムチとキムジャン文化」の登録を勧告したと発表。勧告が覆された例はないことから、韓国では「キムチ」が無形遺産に登録されるとして大きな話題を集めました。

 

 しかし、ユネスコのホームページに記されている無形遺産の登録候補は「キムチ」ではなく、キムチを作って分かち合う文化を指す「キムジャン(Kimjang)」。韓国外務省によると、ユネスコは「キムチが人類遺産のように伝われば商業化に利用されかねない」との懸念を示し、特定の食べ物が無形遺産に登録されることはないと説明した。

 

 ユネスコはまた、韓国が今後も間違った事実を広め、キムチの商業化に利用した場合は「キムジャン」の登録は難しくなると警告したという。

 

 同庁は警告を受けて、ユネスコに登録されるのは「キムチ」ではなく「キムジャン文化」だと説明を修正しました。

 

キムチ文化は、韓国の主たる食文化です。他の生鮮食品は値段が高く、肉、魚、野菜や果物は、マーケットがない街中では、パックになって売られることが多いようです。

 

キムチから発見された独自の乳酸菌もたくさんあって、ロイコノストック・キムチ菌やラクトバチルス・キムチカス菌のようにキムチに由来する名前がつけられているものがあります。こうした乳酸菌はどこからきたのでしょう?材料由来のものが多く白菜やにんにくなど材料となる野菜や薬味(ヤンニョム)として使われるアミの塩辛などに着いていた乳酸菌です。郷土料理をひも解いていくと、地域によって作られるキムチも少しずつ違っていて、乳酸菌の種類も一部異なっていることから、土壌や海水などから原料についた乳酸菌もいると考えられています。

 

白菜やニラなどの野菜に塩や唐辛子を混ぜ、乳酸菌で発酵させた韓国原産の漬物は、基本全てキムチです。発酵の妙で、元々どこにもなかったものが発酵熟成しているうちに補酵素としてビタミンB12が産生されます。これは乳酸菌が出した酵素が働きやすいようにせっせと補酵素であるビタミンB12を出しているということになります。古漬けが酸っぱいのは、乳酸菌がこのビタミンB12の助けを得て、どんどん繁殖した結果、乳酸をたくさん産生したためです。このビタミンが不足すると、赤血球の再生がうまくいかなくなり、貧血症状や息切れ、肩こりや腰痛に陥りやすくなります。その他、唐辛子に含まれるカプサイシンが血行を促進させます。一説には、これで韓国の人は、痩せていると言われています。

 

発酵食品は、人間の健康のためにこのようなものを産生するわけではありません。あくまで発酵菌がもっと子孫を残し繁殖できるために、食材から酵素を使って発酵菌が食べやすい低分子のかたちの栄養素にしているのです。その酵素がより働けるように補酵素のビタミンを産生しているのです。その酵素、補酵素が一番出ている時にいただくと人間にとって都合がいいというだけのお話です。

 

韓国食品研究院は、発酵が進んだキムチを食べると鳥インフルエンザ(AI)ウイルスに感染しても、抑制することができるという韓国内動物試験研究結果を発表した。2009年には、こんな報道もしたことがあります。信ぴょう性については、疑問なこともあります。